2023年2 月: EVP 窪田宏

2023年のビジョン:SYSCOMの目指す姿

1995年に大学を卒業した後、日本のIT企業で3年間システム営業を担当しました。Windows 95がリリースされた年で、オフコンと呼ばれていた大型コンピューターから急激にパソコンに切り替わった時代でした。オフィスに1台のパソコンがあるという当たり前から、全てのデスクにパソコンがあり、オフィスアプリケーションとデジタルコラボレーションが働き方の主流となる、まさにIT革命の波の中で、人手が足りず業務がハードだったのを覚えています。

このような業界全体の変化は頻繁に起こるものではありませんが、それが起きた時は、それに合わせて自分たちも能動的に進化していくことが不可欠です。奇しくも、私は今また大きなIT革命の真っただ中で、会社の舵を取る立場にいます。

私がSYSCOM GLOBAL SOLUTIONSに入社した当時は、まだハードウェアを提供する会社でした。配線工事、電話交換機、PC、サーバー、オフィスネットワーク等を提供することで、お客様が効率よく、かつ効果的にビジネスを行えるためのお手伝いをしていました。

しかしながら、そのモデルは時代とともに変化してきました。分散型の労働力とクラウドへの移行といったトレンドは、2020年以前からすでに始まっていましたが、パンデミックにより急激に加速しました。どこからでもクラウドで仕事にアクセスでき、働き方、コラボレーションの仕方、そして何よりもビジネスの進め方について新しいアプローチが必要となりました。更には、パンデミックにより引き起こされたサプライチェーンの問題が今でも未解決となっており、インフラやハードウェアの注文を完了させることが難しくなっています。以前は数週間で完了していた注文が、今では180~200日かかることもあります。

我々のビジネスはどう変化しているか

現在の我々のクライアントはノートパソコンや電話システム、オフィスネットワークだけを私達に求めていません。ハードウェアのプロバイダーとして差別化を図ることはあまり効果的ではなくなっています。また、ネットワークのクラウド化が進む中で、多くの企業はもはやサーバーを使わなくなっています。必要とされているのは、コラボレーションアプリケーションや、データ分析ツール、特定のビジネスニーズに合わせたローコード・ノーコードのアプリケーション等のソリューションなのです。

クラウドの普及で、お客様はシステム構築に時間を費やす必要がなくなり、今持っているものを活用することに集中できるようになりました。企業は、データの価値が非常に高いことに気付き、それをいかに活用するかに注力しています。最新のERPツールのようにデータを収集、分析、予見することが重要になってきます。

近年は弊社もクライアントのビジネスに関連した業務開発や変革のためのソリューションを提供するよう求められることが多くなってきました。よって、我々もビジネスのやり方に発想の転換が必要となります。クライアントが今必要としているのは、ビジネスを行う環境を構築できる人ではなく、ビジネスを理解し、それぞれ個別に必要なツールを提供できる人なのです。

我々の役割

ハードウェアからのシフト、クラウドシステムへの移行、業務ソリューション・DXの必要性など、我々の取り巻く環境を考慮すると、SYSCOMが進むべき道は自然と見えてきます。弊社の今後の事業戦略は、お客様のビジネスニーズに沿った革新的なソリューションとサービスを創造、開発そして提供することです。

まず、地域別ではなく、お客様の業界別にビジネスユニットを編成するように変革を進めています。クラウド化が進めば進むほど、地域ごとの顧客対応は不要となるので、特定の業界にビジネスユニットを集中させることで、弊社の人材やリソース、ツールからより多くの価値を生み出すことができるようになります。

次に、弊社ではお客様のビジネス変革に対し、マイクロソフト社のエコシステムを推奨しています。これは、企業の様々なビジネス機能を同一のデータプラットフォームやインフラ、デジタル環境上に集約する最良の方法と言えます。Microsoft 365オフィスアプリケーションはすでに強力なコラボレーションツールですが、Dynamics 365ビジネスアプリケーションとAzureプラットフォームと併用することでより拡張性の高い、顧客のニーズに最適化されたソリューションを提供することが可能となります。

Dynamics 365の市場は、順調に成長しており、すでにアメリカや日本での新規導入が増えています。今後、日本のグローバル案件をより多くサポートできるよう、日本でのビジネス強化を計画しています。弊社のビジネスはこれまではインフラソリューションが約70%、残りの30%をビジネスソリューションにフォーカスしていましたが、今後3年でビジネスソリューションの割合が50%を超えるものになると見込んでいます。

弊社が2022年にリリースしたDynamics 365 Business Central: スタンダードパックは、今後の方向性を示す最良の例と言えるかと思います。30年以上にわたり、多くの中小企業様のパートナーとして活動してきた経験を通して気付いたことは、中小企業は強力なERPツールが必要である一方で、それを導入するためのリードタイムや費用に多くのものをかけられない、ということです。

当社では、これまでの多数の導入サポートを通して培ってきた知見を活かして、Dynamics 365 Business Centralの設定をカスタマイズすることで、中小企業のニーズにあったERPを3分の1のコストで最短3か月でセットアップできるようにしました。

これは、特定のビジネスセットのニーズを調査し、そのニーズにあったソリューションを編み出し、それスケールさせていくという、当社が目指しているモデルです。お客様にとってもより早くソリューションを手に入れるための近道ともなります。

スローガン『Think Local, Act Global』

当社の目標は今までと変わらず、お客様に最大限の価値を提供することです。そのためには、お客様のビジネスに密接したソリューション・サービスを提供するこということがますます重要になっていきます。

中小企業向けに開発したBusiness Centralスタンダード・パックのように、個別の業界向けに付加価値を提供する方法を模索し始めています。製造業、通信業、金融業向けのテンプレートや、ある顧客の共通ニーズに基づいたソリューションを開発することで、業界全体のニーズを満たすようにスケールアップいてくことも可能になります。

インフラをより安価に、より迅速に実装することで差別化を図るという時代は残念ながら終わってしまいました。今後10年の成功は、個々のお客様に対してより的確に価値を提供し、そのソリューションを業界全体の需要に対応できるようにスケールさせていくこととなります。この変革は決して容易なことではありませんが、お客様の真のビジネスパートナーとして最大の価値を提供するために、我々の進むべき道だと確信しています。

当社の目標は今までと変わらず、お客様に最大限の価値を提供することです。そのためには、お客様のビジネスに密接したソリューション・サービスを提供するこということがますます重要になっていきます。

中小企業向けに開発したBusiness Centralスタンダード・パックのように、個別の業界向けに付加価値を提供する方法を模索し始めています。製造業、通信業、金融業向けのテンプレートや、ある顧客の共通ニーズに基づいたソリューションを開発することで、業界全体のニーズを満たすようにスケールアップいてくことも可能になります。

インフラをより安価に、より迅速に実装することで差別化を図るという時代は残念ながら終わってしまいました。今後10年の成功は、個々のお客様に対してより的確に価値を提供し、そのソリューションを業界全体の需要に対応できるようにスケールさせていくこととなります。この変革は決して容易なことではありませんが、お客様の真のビジネスパートナーとして最大の価値を提供するために、我々の進むべき道だと確信しています。

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